関東大震災の復興住宅として財団法人同潤会によって計画・設計されたアパート事業の1つで、東京・明治神宮の表参道沿いに建てられた鉄筋コンクリートの集合住宅です。
地上3階建て(一部地下1階)全10棟138戸の当時最先端のモダンな建物で1926年に1〜3号館が、1927年に4〜10号館が竣工しました。当時は建物が少なく静かな場所だったそうです。
現代的な住い方に合わせて個々の創意工夫の改築がなされ、おしゃれなショップが入り、自然にはえてきたツタや樹々が建物を覆い独特の外観をつくりあげていきました。
いつまでもそこにありつづけると思われていたアパートでしたが、2002年、建て替えが決定し、2003年解体されました。2006年、跡地には商業施設の表参道ヒルズが竣工しました。
江戸時代から続く大阪船場の豪商・芝川家が、自家の事業用として1927年に建設。都心のオフィス街に異彩を放つ「古代中南米式」の独特なデザインは旧帝国ホテルの設計者F.L.ライトの影響とも言われます。
関東大震災(1923年)を踏まえ、火災と地震に強い建物を目指した頑強な造りですが、戦前は関西一円の「いとはん(お嬢さん)」が通う「芝蘭社家政学園」として利用されたという華やかな歴史もあります。
戦後はテナントビルとして利用されてきましたが、地元まちづくり団体との出会いをきっかけに所有者の建物に対する意識が大きく変わり、戦後の増築部分を撤去して屋上を竣工当初のオリジナルに再生し、古い建物に理解があるショップを誘致するなど、建物の魅力アップに向けた積極的な活用を進めています。